2011年10月17日-24日 ラオス遠征  沼田、宮野、中尾)
今回の夜間採集用機材:ガイドのKhambounが発電機、100W水銀灯1灯を用意、予備に中尾も20W誘蛾灯1本、変圧器
撮影機材:前回と全く同じ、デジカメ、パナソニックLumix DMC-G1:標準ズームレンズ14-42mm/F2.5-5.6, マクロレンズLEICA DG MACRO 45mm/F2.8、サンパックのリングストロボauto16Rを用意。
採集用機材:六本脚で売っていたプラスチック殺虫管、普通の特大殺虫管、酢酸エチル少なく大部分宮野氏から分けてもらう。大型蛾用のアンモニア水と注射筒。
前回、白布は持ち去られてしまったので、ミラータイプのカーテンから自作したもの持参。
日時場所 画像とコメント
10/17,18
バンコック空港からビエンチャン
成田10/17 12:00発タイ航空TG643便で成田発、予定通り16:30にバンコックスワナムーブ空港到着、Cターミナル方向へ歩いて行くと、既に10/14にバンコック入りしていた先着の沼田氏、今回は名古屋発の便の宮野氏と合流。TG574便に乗り換えて、21:00過ぎビエンチャン着。荷物を無事ピックアップして外へ。今回は3人旅なので1人2万円づつ現地通貨のキップ(K)に両替。春より更に円高進んだので、懐には206万Kの札束。出迎えのガイドKhamboun氏の車エスティマで定宿のSengkeoにチエックイン
バンコック空港で無事お二人に合流 洪水騒ぎの影響なくダイヤも正常 Kipの札束をベッドの上に並べてニンマリの宮野氏
10/18
ビエンチャンからバンビエン
朝7時には起床して朝食後8:30にホテル発。本日の目的地PhaoChaoViewPointに向かう。隣のタイは洪水騒ぎだが、ここラオスは好天。今年、台風が3つも来たとのことで、前回もひどい舗装だった道路はさらに穴ぼこが増加、左右に避けながら走るのだが平均40km程度しかスピード出ない。ラオスにはまともな道路補修予算も無いらしい。今回は途中のバンビエンで蝶採集ポイントに立ち寄ることにした。まずは町の手前10km程度の丘陵地。耕作地と伐採後のたけの低い2次林が混ざる場所。シジミタテハが3種程、その他数種のタテハ。1時間程度散策後、バンビエンに向かう。米軍の作った滑走路跡を越えて町に入ると眼に入るのが欧米からの観光客の多さ。反対に日本人の姿は全くなし。2万K払ってつり橋を渡ると、川の西岸。ひどい泥水たまりを4WDエスティマは無事越えて山間の涸れ河原へ到着。乾期の始まりで時期的には良くないはずだが、河原には意外に種々の蝶が飛んでいる。僅か30分程度の採集だったが、最高の蝶のポイントだとわかった。
バンビエン近郊でのシジミタテハ 小型マダラガのボロ個体 バンビエン滑走路跡から見た西部の石灰岩山地 バンビエン西部の蝶の河原を歩く宮野氏 同じく沼田氏
イヌの糞に集まるチャイロフタオCharaxes bernardus 遠征中、昼夜とも毎日欠かすことの無かったラオビール両氏のお気に入り 春に宿泊したファオチャオのロッジ、この軒下に白布を張って夜間採集 アタマスフタオPolyura athamas普通種だが素早くて採集は至難 ホウセキフタオPolyura delphis宮野氏は採集の時、手が震えたとか
10/18
ファオチャオ
4時半ごろファオチャオのロッジに到着。初日だし、前回4月のここでの夕方の激しい雨にこりているので、ロッジの庇の下に今夜は幕を張ることに決定。暗くなる前に、ロッジ内の温泉池で水浴び、前回よりだいぶぬるい。Khamboun氏の発電機はかなり使い古しで起動に苦労。やっとどうにか水銀灯点灯。持参した20Wの誘蛾灯も使う。それほど期待はしていなかったが、意外に飛来する蛾の数は多く、種類数もなかなか。宮野氏はミクロ中心。沼田氏はヤママユがお目当て。
Aglaomorpha plagiata大型ヒトリ今回の初物 Ampelophaga dolichoides今回は珍品で1個体しか飛来せず カレハガのArguda vinata朝の残り物 未同定ヤガ、Heoeugorna sp? Chrysopera combinansラオス初記録?
Clostera restitura セグロシャチホコC. anastomosis近縁 Fodina oriolus後翅黄色の美麗ヤガ シンジュキノカワガこれまでの遠征と同じく、結局1個体しか飛来せず
10/19
プークーン東部B
朝食後、宮野氏は前夜のミクロ採集品の展翅。昼頃に次のViewPointに移動して昼食。タイからの団体客でにぎわっている。入り口の木に白い花が咲いており、デリアスagostina、マダラシロチョウ、カギバアゲハが多数飛来、沼田・宮野氏が長竿振り回して数頭ゲット。
前回プークンで宿泊したゲストハウスは採集ポイントには比較的近いものの、まともに窓も無い安宿だったので今回は手前のBungalow集落にあるロッジにチェックイン。ここはフランス人によりインドシナ戦争前に建てられた由緒有るホテル。
プークーンから16km程の夜間採集ポイントは周囲の林は変化無いものの、台風による多少のがけ崩れの被害あり。今回も雨よけのブルーシートもしっかりと張ることにした。夜間採集ポイントとしては最高の場所だが、春に比べると、スズメガ、ヤママユ等の大型蛾の数はやはり少ない。逆に多いのが、メイガ、コブガ等の小型蛾、ドクガ
朝はまず日本から持参したインスタント味噌汁から ファオチャオロッジ前に迫る石灰岩岩山 絶景をおかずに朝食 ここはヌードルスープが定番 ロッジ横の温泉池、風呂代わりに使った
プークーン手前の展望レストランと沼田氏 白い花にデリアス、カギバアゲハなどが飛び回る プークーン手前のロッジ、インドシナ戦争前にフランス人により建てられた由緒あるもの 春と同じプークーン東部のナイター場所最高の樹林 ゴキブリ
シャチホコNewと思ったらトガリバとのことホントかな? ハマキガCerace spそれぞれ1匹つづ カレハガのCerberolebeda styx完品は初めて Cricula jordaniの♀ アカスジコケガ類のCyana effracta今回は少なく期待はずれ
大型Cyanaだがまだ同定できず 初めて採集したGangarides vardena前翅に黒斑あり ホソシャクOzola sp類似種多く同定困難 初顔のカギバ属も不明 今回はノメイガ類の種類数特に多かった全くの不明種
コケガを捕食したサシガメ カギバThymistida sp?後翅突起が特徴 カレハガTrabala pallida有毒らしいです
10/20
プークーン東部+ロッジ
B
午前中、沼田・宮野両氏はミクロの展翅。私だけ、集落近くの山に登る、焼畑後の2次林だが、蝶の採集には好適。シジミタテハ、シロチョウ類、Letheなどのジャノメチョウ類が多い。午後ロッジのベランダに誘蛾灯を設置周囲は耕作地なので期待せず、折角日本から持参した道具を有効に使おうという程度。
午後、前日の採り残し蛾を目的に再度同じ場所に白布をセット。早めに終了してロッジに戻ると、20W誘蛾灯+白布に蛾が多数飛来。Rinaca cacharaの飛来はここだけ。巨大なヨコズナトモエもいたがその内に下の林に飛び去ってしまい。採集できず。
アオシャクOsteosema sanguinilineata ロッジ周辺の山、焼畑の後の2次林 巨大シラホシフトタマムシ、こんなのが狙って採集できると楽しいんだが ナイター開始前には、まずラオビール ノメイガの同定は困難だが美麗種の撮影は楽しい
アカスジシロコケガ類Cyana coccinea♀は全く別物 初物のOruza sp 後翅の黄色いオキルリ イラガの多分Sp New 立派なアカビロードフトカミキリ?
シロオビドクガNumenes近縁種? まるで葉柄のついた葉っぱのギス、捕まえるとごく普通のギスに戻りました トガリバシャチホコPhycidopsis albovittata ヒメヤママユ近縁のRinaca cacharaロッジの誘蛾灯に飛来
10/21
バンビエン
C
10月中旬過ぎでプークーン等の山地は夜間かなり気温下がってしまうので、標高低い場所で採集することにしてバンビエンに戻る。昼間蝶を採集する狙いもあり。沼田氏の選択で、この町での最高級ロッジに2泊することに。蛾の採集にはもったいないような優雅な部屋。食堂の建物や庭園は河にせり出し、西側の岩山を一望する素晴らしい眺め。夕方5時過ぎに3日前に来た蝶ポイントの河原に到着。山上の大場所ではないが、開けた河原で平地としては最高条件の場所。点灯後、予想通り、大型蛾は少ないものの、小型蛾は数・種類共に豊富。
バンビエンの三ツ星ホテル蛾採りにはもったいない? 河に向かって広がったホテルの庭 ホテル庭の花にも蝶が多数飛来 夕日に向かって蝶の河原のナイター場所に出発 今日からは雨除けブルーシートは省略
アオシャクAgathia laetataスンダランドからの広分布種 真っ赤なカレハAlompra roepkeiの♂ 美しいが普通種のコケガBarsine euprepioides 秋モノのシャチホコClostera fulgurita♀ 比較的大型のHeterostegane sp
ヒメシャク?sp 巨大コオロギ6-7cm程あります ヤミスズメバチの今回の被害者は沼田氏、激痛の後、こんなに腫れあがります Risoba walshaeの♀ラオスには多いらしい ヒメクロイラガ属のScopelodes sp多分New
派手な大型ボクトウXyleutes mineus
7-8匹は飛来
10/22
バンビエンC
今回の遠征で最後の採集日、例によって私は午前中展翅の必要無いので、午後、Khamboun氏に途中まで車で送ってもらい、一人で西岸の鍾乳洞入り口方面に向かう。マダラチョウ類が飛んでいる程度で目ぼしい蝶の姿は無し。その後、前日の河原に向かう、3時過ぎなので、吸水に集まる蝶の姿は無いが、種類は豊富。ヒラヒラと地面すれすれ飛んでいるデリアスを2匹その他大型タテハ類採集。夕方、5時過ぎに、で宮野氏、Khamboun氏と落ち合う。沼田氏は本日は採集スキップ。前日と同じく、小型蛾が多い、最後の晩であり、二人ともせっせと採集。
ホテル庭で河と山を背景に蛾採りオヤジ3人 通行料を払って吊り橋で鍾乳洞に行けます これは蝶の河原に行く別の有料吊り橋 普通種デリアス、アカネシロチョウ、夕方で道路わきをふらふらと飛んでいました 同じくホテルからの川と岩山の絶景
アオシャクComostola sp シロスジホソヤガLophoptera squammigera 近縁種のLophoptera squammilinea ピンク色大型ドクガLymantria lepcha キオビフクロチョウThauria lathyi lathyiのボロ
ノメイガ1種 シダメイガの1種? ヒトリガのNannoarctia tripartita 腹部の赤いカノコガ ヒメシャク1種
コブガの1種 Glyphodes sp フサヤガの1種Paectes psaliphora アオイラガの1種Parasa emeralda 人面コケガTrischalis subaurana
10/23
ビエンチャン
朝7時半頃ホテル出発。途中トラブル無く、11時ごろビエンチャン市内到着。戦勝記念ゲート、寺院など回って、空港へ。いつものように、標本持ち出しのトラブルは全く無く、無事荷物をチェックイン。
インドシナ戦勝記念碑前で お寺の前、当日お祭中 ビエンチャン空港でも日本のソバ、ウドンが食えます
10/24 8:30に無事成田着
戻る