Geographical range |
東アジア温帯の特産. 沿海州, サハリン, 朝鮮, 日本に分布. 中国中部からも記録があるが, 中国にはさらに別の近縁種も分布している. 台湾の標本 formosana (Matsumura) は形態的に本種と差異はなく, 同種として扱ってよいと考えられる. 北海道以外の地域ではこの群中もっとも普遍的に分布し, 1000m以下の山地にも産するが, 都市近郊などで庭園に発生したりするのは本種である. |
Remark |
本州産の標本では開張 41-50mm, 特に♀に大型の個体がある. 前翅は充分長く, 翅表が灰黄色をおび, 暗色鱗を密布しない型は本種に固有で, もっとも識別しやすいが, 黄色味が少なく, 暗色鱗を密布する個体もある. ♂の後翅は白色ないし黄白色, ♀では暗色である. 北海道産の標本は, 開張43mm内外. 本州産に比べて小さく, 前翅はやや強く暗色鱗片を混じ, 後翅は白色に近く, ややtridensに似る. 松村によってjezoensis (Matsumura) と命名されたのはこの型で, サハリンまで分布している. ♂交尾器では,juxtaの1対の裂片は, 外方へふくらみ, 前種よりも幅広の馬蹄形をなす. Valva腹縁のharpe-complexの外方の枝は前種よりもやや長く突出し, 先端は鋭くなる傾向がある.
|