Biology |
幼虫はブナ, ミズナラ等から得られ, 北海道ではシラカンバでも見出されている. 越冬態は蛹, マユはボート形で, 黄色ないし紫褐色, 主に食樹の葉裏に作られる.
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Remark |
ヨーロッパ中部北部では通常年1化であるが, 南部のスペイン, イタリアなどで2化の蛾が出現し, f. fiorii (Costantini) と命名されている. 日本でも本州以南の全域は2化地帯で,
夏の個体は久しく別種japonica (Warren) ヤマトスジアオリンガとして扱われていた. 北海道は原則として1化地帯であると思われ,
2化の記録はない. 春型, 夏型を通じ♂の後翅は黄色, ♀では白色, 春型の♂では,
内・外横線に加えて亜外縁部にも淡色の斜条を表し, 白色の腎状紋が常にみとめられる.
外横線に沿い赤色条を有する個体もしばしば出現する. 春型の♂にも多少地域的な差異もみとめられ,
地色が黄色味が強く, 横線はややぽけ, 赤色帯が朱色に近い個体 は本州中部のブナ帯の標本である.
♀でも若干類似の傾向を示す. 夏型では♂♀とも前翅翅型が短く幅広となり, 通常2本の横線のみを表す.
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