Species name

Lymantria dispar (Linnaeus, 1758) マイマイガ,Cat.3218
dispar praeterea Kardakoff, 1928 [北海道亜種]
dispar japonica (Motschulsky, 1861) [本州・四国・九州亜種]
dispar postalba Inoue, 1956 [四国南部・九州南部・種子島・屋久島・男女群島亜種]
dispar albescens Hori & Umeno, 1930 [奄美以南亜種]
dispar tsushimensis Inoue, 1956 [対馬亜種]

Taxonomy  
Geographical
Range
本種はヨーロッパから日本までの広分布種で, 多数の亜種に分けられている. 北アメリカにはヨーロッパの原名亜種が1868-69年に移入され, 今ではほとんど全土に広がり, 重要な森林害虫となった. 北海道, 千島, シベリア南東部の亜種をpraeterea Kardakoff といい, ♂♀とも淡色でやや小さい. 本州, 四国, 九州の亜種japonica (Motschulsky)は♂の翅が著しく濃色だが, 中部山地や東北地方北部では, 小型で北海道産に近い個体群もいる. 琵琶湖周辺, 岐阜, 名古屋地域のものはobscura Goldschmidtと名づけられているが, 遺伝的な研究に基づいており, 成虫の標本では分けがたい. 対馬の亜種tsushimanensis Inoueは♂の前後翅内面がやや淡色. 種子島, 屋久島の亜種postalba Inoue は♂の後翅の大部分が白く, 前縁から外縁がかなり黒い. 長崎県男女群島のものはこれにほぼ一致し, このような変異個体は四国南端部(沖ノ島を含む)や九州の宮崎, 鹿児島両県でもとれるが, 図のように後翅の白色部がやや暗色のこともある. 紀伊半島にも似たような大きさと変異群が分布しているようで, 筆者は三重県尾鷲市のを持っており, 翅が黒っぽく, 後翅が白化する傾向は見られるが, 上に挙げた地域ほど白くない. 沖縄本島の亜種 albescens Gaedeはどの亜種より大型で, 前翅まで白い.
Distribution map
Biology 幼虫はブランコケムシと呼ばれ, 若齢のとき糸を吐いて垂下する習性がある. バラ科(サクラ, リンゴなど), ブナ科(クヌギ, クリなど), カバノキ科(ハンノキなど), その他多くの植物の葉を食べ, しばしば多発して山林, 果樹園, 庭園に害を与える.
Flying season 1回の発生で, 卵で越冬する. ♂は目中活発に飛ぶ.
Remark

この属では下唇鬚は前方に突出し, 後脚の距は2. 前翅のR2-5は有柄. ♀はpostalbaと同じように淡黄色だが, さらに大きく, 前翅外縁の点列がいっそう発達している.

Japan
Japan
Japan
Male genitalia 
References

Kishida Y et al., 2011, The Standard of Moths in Japan II: 143