学名/和名
(MJ No.)

Eupithecia abietaria (Goeze, 1781) オオクロテンカバナミシャク,Cat.2546
abietaria debrunneata Staudinger, 1897 オオクロテンカバナミシャク[日本]

標本画像
生態画像
幼虫画像
分布 北海道, 本州, サハリン, シベリア南東部の亜種を debrunneata Staudinger といい, 原名亜種はヨーロッパに分布する. 本州の中部山地から高山帯に多いが, 東北地方からは未発見.
発生期

Eupithecia ,小型でたがいに外見上よく似た種が多く, 交尾器の形態によって確認しなければならないことが多い. 顔面の鱗粉はあらく, 時には隆起する. 下唇鬚はまれには長く突出する. 後脚の距は2. 前翅の小室は, 本種とそのすぐあとの2種では2個だが, 他の種では1. 後翅の中室は翅長の1/2以下で, 横脈は直線的なことが多く, 角ばらない. ♂の第8腹節腹板には骨化した板 (abdomina1plate) があり, 多くの場合, 種の区別に役立つ(本文では単に腹板とよぶ). 旧北と新北区に栄え, 旧北のEに対しては幼生期を含むDietze (1910,1913) の図説が出ており, 交尾器はPetersen (1909)が多くの種を図示している. 日本では64種が知られている. 詳しくはInoue (1979,1980)の論文を参照されたい. 本種はかなり大きく, 前翅の内・外横線と後翅の外横線は明瞭. 前翅の横脈紋は黒く大きい. 白色の亜外縁線の内側はやや赤褐色をおびることが多い. ♂交尾器(Plate 331:3): valvaは単純, cornutus 1本の長いムチ状で aedeagus の約7/10. 腹板(Plate 329:1) は大きく, 尾端で1対の長い突起となる. ♀交尾器(Plate 336:1): corpus bursae はやや長い球状,途中でくびれ, 刺状物が頭方に密生,

食樹・幼生期 幼虫はエゾマツ, ドイツトウヒにつき, 青い球果を食べる.