DMJ No. 41020701
学名/和名
(MJ No.)
Anatrachyntis japonica Kuroko, 1982 マダラトガリホソガ, Cat.1231
標本画像
生態画像
同定

開張10-12mm. 従来わが国でPyroderces falcatella Stainton とされていたもので, 前翅基部より1/4にある斜めの白色横帯は一般にゆるく湾曲し, 後縁1/2には翅幅の半分に達する立ち上がった黒色鱗による三角紋がある. 個体により地色の明るいものや, 濃色で黒色鱗の多いものがあり, 外観では識別困難な近縁種がいるので, 同定は交尾器の特徴によるのが肝要. falcatella では前翅1/4にある白色横帯が後縁に直角をなす. 成虫は5, 7-9月に出現. 幼虫はカキノヘタムシガによるカキの被害果, ワタアカミムシガによるワタの被害, ミノガの袋の中などで残物を食べている. 別名ツマスジトガリホソガ. 脈相および♂♀交尾器(Plate 274:9;Plate 276: 5,6).

Holotype: ,本州, 大阪府堺大阪府大構内, 23.VI.1978(多々良明夫), チャミノガのミノから飼育. UOP.

Paratypes: 本州-2, 群馬県前橋, 5-12.VI.1968;1,5.IX.1969(七五三木伸二);1, 東京大田区雪谷町, 23.V1951;1,23.VIII.1951(黒子浩);1,大阪府堺,15.V.1957;1,18.IX.1957;48,2,13-18.V.1959(児玉行);3,4,holotypeに同じ, 2-19.VII.1978(多々良明夫);1,大阪府堺大仙町,13.VI.1959(斎藤寿久);1,大阪府箕面市,23.VI.1974(斎藤寿久);1,大阪府犬鳴山,13.V.1959(児玉行);1, 和歌山県紀見峠,24.V.1971(駒井古実),3,奈良県白金村,3-10.VIII.1955(児玉行);四国-1,愛媛県大島,7.VIII.1959(岡田有夫);1,愛媛県松山市,5.VII.1955(立川哲三郎);九州-1,福岡県英彦山,14.IX.1959;1,18.VIII.1962(黒子浩).UOP,BMNH(1,1).

本属は前属によく似るが,前翅のCuA2CuA1に接近しているのが特徴. ♂のbrachiumは互いに接近していて, 右の方が長い. Valvaは基部が左右互いに接近し, 基部の細いスプーン形をしたものが多い.  Aedeagusは一般に短く, 三角形をなし, anellar lobeより短い.♀のlamella antevaginalisは管状ないしは瓶状をなす. Hodges (1978)は本属をPyrodercesのシノニムとして扱っている. なお, 定着は確認されていないが, A. rileyi (Walsingham)(Cat. 1232)トウモロコシトガリホソガ (pink cornworm, pink bud moth) が香川県坂出港 (1967)および同県内の飼料工場(1968)でタイ国産のトウモロコシから発見されている. 本種は新大陸, ハワイ, オーストラリアに分布し, トウモロコシの実や茎, ワタの, ヒマの花等を食害することが知られている. トウモロコシ栽培の広域化に伴い東南アジアにも分布を拡大している可能性が強い.

分布 本州, 四国,九州に分布.
発生期
食樹・幼生期
幼虫画像