同定 |
開張11mm内外. 触角は基節は白色で各節は白色と黒褐色を交互にする. 頭部は茶褐色で前面は白色の粗い鱗毛で被われる. Labial palpus は基節と第2節が黄褐色で茶褐色の鱗片を撤き散らし, 末節は黒褐色になる. 前翅は茶色がかったオレンジ色で基部付近にアーチ状の白線と前縁1/4付近よりこの線と平行に走り内縁の1/3付近で終わる白線がある.白線と白線の間は濃い茶褐色となる, 外側の白線はぼやける. 前縁の2/3付近には, ほぼ丸い斑紋を持ち白色から茶色がかったオレンジ色になり, 斑紋の周りは茶褐色の不定形な斑紋となる. 縁毛は茶色がかったオレンジ色. 後翅は灰黒色.
♂交尾器(Fig.26).
Valvaは左右対称でsacculusはよく発達し, 先端にコブ状の突起を持つ. Juxtaは上部が強くアーチ状に湾曲したハート型で, 筒状の短い柄を持つ. Saccusは細く長い. Aedeagusは骨化した長さの違う3本のcornutiを持っている. 一番長いcornutusはAedeagusの約1/3の長さで,その先端に,一番長いcornutiの約1/3と約1/9の長さのcornutiが叉状に並んでいる.
♀交屋器(Fig.38),
Lamellapost vaginalisを欠く. Antrumは長い漏斗状で強く骨化する. 2個のsignusは両端が山型になった長い帯状で大きく, 骨化した小さな薔薇のトゲ状の突起を数多く持っている.
Holotype. ♂. Iriomote I., Okinawa pref., 21.III.1995, slide no. 868 (T.
Mano). Paratypes 8♂1 ♀, Data as holotype except slide nos 855 ♂, 866 ♂, 867 ♂, 873 ♂,
864♀; 2 ♀, Ishigaki I., Okinawa pref.,
28.III.1995 (T. Mano ).
所見-Sakaiellaやautoclinaと酷似する. 前翅の翅表の色彩では,この両種と比べ茶褐色が濃い. またsakaiellaとは1/4付近から始まる白線がこの種では緕麗なアーチを描くのに対し,
sakaiellaでは後縁近くでやや膨らみ, autoclinaではほぼ直線になる. また個体の大きさでぽsakaiellaとは同じくらいだがautoclinaは, 9mm内外と小さい. ♂交尾器ではautoclinaはまったく違った形状でありsakaiellaとはvalava, sacculus arm, adeagusのcornutiの形状など,また♀交尾器でもlamellapost vaginaliSやSignumの形状で差異は明らかである.
|