セミヤドリガ Epipomponia nawai (Dyar, 1904)

科:セミヤドリガ科(Epipyropidae)

属:Epipomponia Dyar, 1906

【旧名,別名,害虫名,同定ミスなど】 セミノヤドリガ セミヤドリクロバ

[講談社大図鑑:CAT.1365 / Plate:34:8(♀)]
[保育社蛾類図鑑:780]
[北隆館大図鑑:162:28]

【開張(mm)】 16-18

【分布】 本州,四国,九州;

【本州四国九州における記録確認済都府県名】 石川,愛知,福井,富山,神奈川,千葉,岐阜,福岡,長崎

【成虫出現月】 8-9

【幼虫食餌植物】 動物性:ヒグラシ、ミンミンゼミ、アブラゼミ、ツクツクホウシ、ニイニイゼミ、ヒメハルゼミの記録があるが、99%以上がヒグラシ(※BY)

【終齢幼虫体長(mm)】 10

【掲示板から一言】 幼虫はヒグラシへの寄生が99%以上。単為生殖。保育社の図鑑にも北隆館の大図鑑にも雌雄の記述がある。成虫は早朝に羽化し、すぐに産卵を開始する。野外では樹皮等が産卵場所になっていると思われるが、見ていると、羽ばたきながら産卵し続けているので、いろいろな場所に付着するよう。卵は鱗粉と粘着物質がついており、産卵後あまり時間が経たないうちならきれいに洗い落とせる。【幼虫写真2】〜【幼虫写真5】は同一個体で、2001年8月1日、福岡市西区羽根戸でヒグラシ♀に寄生していたもの。【幼虫写真6】は2004年7月29日、埼玉県秩父地方でヒグラシに寄生している。【幼虫写真7】は2004年8月4日、明石市明石公園で、アブラゼミに寄生。【幼虫写真8】(終齢幼虫頭腹面)、【幼虫写真9】(終齢幼虫腹脚。円形に並んだ鍵爪で、セミの体に張った糸にしがみつくものと思われる)は1987年ごろの資料で、液浸標本。【幼虫写真10】:ヒグラシの♀の場合、羽の付け根の膜状部に付着している例が多く見られる。【卵写真1】は飼育個体の卵塊。【卵写真2】は洗浄したもので、2個くっついている。先端の切られた方が「蓋」で、周囲に顆粒状の飾りがある。このままの状態で、乾き過ぎないように注意してやれば翌年幼虫が孵化する。孵化が近付くと、卵殻が透明なので、中で幼虫が動いているのがわかる。樹皮に産卵されると仮定した場合、恐らくセミが木に止まった時の振動で孵化するものと思われるが確認できていない。顕微鏡下では、初齢幼虫が突然視野から消えることがあり、尾端の長毛を使って跳躍するのではないかと思われるが、想像の域を出ない。【繭写真1】:白色毛をまとった終齢幼虫を寄生させたセミを捕らえると、幼虫は糸を吐いて垂下し、ほぼその場で造繭する。白色毛は8の字を描くように糸と絡めながら噛み千切られて、繭の素材にされる。

Epipomponia属一覧

【成虫♀写真1】
成虫♀写真1

【繭写真1】
繭写真1

【幼虫写真1】
幼虫写真1

【幼虫写真2】
幼虫写真2

【幼虫写真3】
幼虫写真3

【幼虫写真4】
幼虫写真4

【幼虫写真5】
幼虫写真5

【幼虫写真6】
幼虫写真6

【幼虫写真7】
幼虫写真7

【幼虫写真8】
幼虫写真8

【幼虫写真9】
幼虫写真9

【幼虫写真10】
幼虫写真10

【卵写真1】
卵写真1

【卵写真2】
卵写真2

Epipomponia属一覧

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