ヤシノホソキバガ Batrachedra arenosella (Walker, 1864)
科:ホソキバガ科(Batrachedridae) ホソキバガ亜科(Batrachedrinae)
属:Batrachedra Herrich-Schäffer, 1853
[保育社蛾類図鑑:152.]【開張(mm)】 前翅長3.8-5.5
【分布】 本州,西表島;台湾,南方諸島,インド,オーストラリア,ペルー
【本州四国九州における記録確認済都府県名】 愛知,大阪,和歌山,山口
【成虫出現月】 10
【幼虫食餌植物】 ヤシ科:シュロの実(※HZ)
【掲示板から一言】 保育社の図鑑に「やしとがりほそが」なる和名の種が載っているが、大図鑑にはない。愛知県までは標本が確認されていて、シュロの花が安定供給される地域には意外と普通であろうと予想される。学名については様々な問題を抱えている。模式産地はニュージーランドのオークランドで、カイガラムシを食すとされているが、オーストラリア南東部からイグサの種子を食したという報告と、マレーシアからヤシの未熟種子を食したとの報告もある。これらの情報は、この学名で示している種に、複数種の混ざりがあることを強く示唆している。和名はいずれ、「シュロノホソキバガ」に改名されるであろう。
2004年12月4日追記:日本に産するものは少なくともシュロの害虫の方で、学名B.arenosellaではないことが恐らく確定。よって本種の学名が何であるかはまだわからないが、はっきりするまで現状を維持する。まとめると、本写真の学名は未定、和名はシュロノホソキバガ(にしたいが未記載)でシュロの実の害虫。B.arenosellaはカイガラムシを食すが、現在模式標本が行方不明で日本に産しないと考えられる。
【成虫写真1】は1956年大阪のもので、シュロの害虫となっている。この蛾像が保育社図鑑の言うところのヤシトガリホソガであることは間違いない。【成虫写真2】は大阪府堺市のシュロの実より、2004年11月7日に幼虫採集、同月29日羽化。
【成虫写真1】
【成虫写真2】